27回松下幸之助さんに学ぶ
🏊27回【松下幸之助さんに学ぶ】
【みずからの稼業が、夜なきうどん屋の主人であったとしたならば】
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昭和38年(1963)1月10日、松下電器昭和38年度経営方針発表会(68歳時)
それは何かと申しますと、皆さんは、いわゆる社員稼業という一つの独立経営体の主人公であり、経営者である、という考え方であります。
社会全体から見れば、自分の仕事は松下電器の社員という職業である。
しかし、
その実体は、自分は社員という稼業の経営者である、
と、
こういうような考えに徹することはできないかどうか。
私はこう考えられるかどうかによって、
これはたいへんな違いがそこから生じてくると思うのであります。
今日、独立した経営者は数多くありまして、その経営ぶりはさまざまであります。
それぞれの人の持ち味において、自主独立のかたちで経営が行われております。
うどん屋さんの主人公もそうであります。
蕎麦屋の主人公もそうであります。
夜なきうどんの主人公も独立しております。
その人たちは、いわばその仕事を自分一人でやっておられるのであります。
自分一人で、独立経営体として、そこに精魂を打ちこみ、おのが事業としてものを見、ものを判別し、
是非を判断されているのであります。
しかし、大会社のいわゆるサラリーマン、社員という人たちは、
そこまで徹しておらない。
会社の社員という立場において、要するに与えられた仕事を遂行している、というような心がまえに終わっているのではないかという感じがするのであります。
それをもう一歩進めて、自分は、松下電器という一つの会社の中で、社員稼業をしている独立経営体である。
皆さん一人一人が、自己の独立経営として、自分は松下電器の社員稼業をやっているんだと、
こういうような心意気になって、
ものを見、ものを判断することが、
はたしてできないものかどうか、また、
そうすることは間違ったことなのか、ということを考えていただきたいのであります。
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もし、社員稼業に徹するならば、たとえば命じられただけの範囲で仕事をすませるということは私はできないと思います。
みずからの稼業が夜なきうどん屋の主人であったとしたならば、
みずからのすすんでうどんを売るというような心がけで仕事をしなければならないでしょうし、川べりに屋台店を出して、これをお客さんに呼びかける必要がありましょう。
また、きょうのおつゆの味わいはどうであるかと、みずから食べてみて、少し辛いとか、辛くないとか、自分で味わい、考えるということもやりましょう。
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幸いにして、最初のお客さんが来たときに、そのお客さんにうどんを渡し、まず第一に発する言葉は、『きょうの味はいかがですか』ということだと思うのです。
自分はこれでいいと思ったけれども、通りがかりのお客に食べてもらう。
そして、
その人々をつかまえては、『きょうの味はどうですか』ときく。自分はいいと思うけど、お客さんは、どういうふうに感じているだろうかと、こういうことは当然きくべきことだと思います。
それをきかない夜なきうどんの主人公であれば、それは非常に自分の商売を無視している、蔑視していると思うのです。
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ところが自分の商売に非常に熱心ならば、炊きたての汁の味、うどんの温みというものが、どういうふうにできているか、自分はいいと思うが、お客さんはどういうふうにこれを判定してくれるかを、ききたくなるだろうと思うのであります。
熱心であれば当然そうなるだろうと思います。そして、お客さんから『きょうの味はうまいよ』と言ってもらえることによって、非常に安心だ、それじゃこのとおりやったらいいということになるでありましょう。
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そういうような努力の姿に、私は独立自営の花が咲くと思うのであります。すべての独立経営というものは、私は、そんなものだろうと思うのであります。
そういうことをしない経営者というものは、適格性を欠いていると申せましょう。
適格性がない人はおのずと落伍します。真の独立経営者には、うどんの味をそういうふうにきくというくらいの熱意が、当然起こってくると思うのであります。
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皆さんが松下電器の社員ということについて、『これは自分の稼業なのだ』『私は松下電器の稼業の主人公なのだ。これは私の家の事業であり、またこれは、いわば自分個人の事業なのだ。そういう意味での松下電器の社員だ』
そういうふうな考えに徹せられたならば、皆さんの頭から何が生まれるかというと、想像もできない偉大な力が生まれてくると思うのであります。
このように、そういう小企業体が集合して、この松下電器という社会を構成していくということになれば、私はこの松下電器という社会が、非常にすぐれたものとなり、ほかの社会にそのよさを移すことになろうかと思うのです。
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ひいてはそれは日本全体の、大きな社会の発展に結びつくと思うのであります。そういうような心境になったならば、仕事に伴う苦痛というものはなくなるでしょうし、働く喜び、自分の稼業の繁栄していく姿の喜びに、ときのたつのも知らない、ということになるだろうと思うのであります。
そして、
心のすみずみに喜びが行き渡るから疲れを知らないという状態になるだろうと思うのあります。』
という。
幸之助さんです。
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このように、客に対して味の評価を尋ねない夜なきうどん屋がいたとすれば、『それは非常に自分の商売を無視し、蔑視していると思うのです』とまで言い切る幸之助さん。
いわゆる『夜なきうどん屋』の激減した現在では、現実味のあるビジョンが浮かばないかもしれませんが、
単なる『うどん屋』や『そば屋』でもかまわないところを、あえて『夜なきうどん屋』という風情に満ちた語句で描写するところに、幸之助さんの話術の巧みさがうかがえます。
おそらく当時の人々は、『夜なきうどん屋』という言葉が醸し出す詫びしくも暖かい雰囲気に引き込まれて、自分や主人や客に見立てながら、思わず聞き入ってしまったことでしょう。
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この発言の中で、それぞれの社員が、『自分は社員稼業というビジネスの経営者なのだ』
という高い意識で仕事をすれば、『皆さんの頭から何が生まれるかというと、想像もできない偉大な力が生まれてくる』
という言葉使いの巧みさには、感服してしまいます。
オフィステイテイエスの女優さんは、かなり学びになると思います。
今、俳優事務所として求められるのは、このような女優さんの意識なのです。
オフィステイテイエスと置き換えて発言をもう一度見てください。
想像できない偉大な力生まれるし、女優さんのゴールを設定すれば、あなたが持っているとてもない女優としての能力や才能のが目覚める。
新しいゴールが見えてくるようになります。
ゴールが達成しそうになったら、その都度新しいゴールを更新していきます。
そうすることで、あなたは最終的には思ってもみなかった素晴らしい未来を手にすることができるでしょう。
と、
スーパーエネルギーマネジャー高峰が感じます。
このような意識の高い女優さんが3人誕生すれば、芸能プロダクションとして成り立つし、貢献できるものと思うところです。
ありがとうございます。
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